自然の生命力が注がれた「みなまた和紅茶」の豊かな味わい|熊本県 水俣市
地域の魅力発見!~ハグメグる地域Vol.20~
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かつて水俣病という公害問題を背負ってきた水俣市(みなまたし)。その後、市民総出の環境に配慮したまちづくりがなされ、平成23年(2011年)には日本の環境首都の称号を獲得し、令和2年にSDGs未来都市に認定され、九州でも指折りの美しい海域を誇るまちになりました。
今回は、美しい自然を取り戻した水俣市だからこそ生まれた「みなまた和紅茶」をはじめ、魅力あふれる海や山の情報をお届けします。
熊本県 水俣市(みなまたし)
水俣市は熊本県の最南部に位置し、南は鹿児島に隣接し、西は不知火海(八代海)に面しています。リアス式海岸が続く風景では九州でも有数の自然美をみることができます。
山里の水の美しい地域 久木野地区は市内中心部から車で20分ほど。その水の恩恵により、「つなぐ棚田遺産」に選ばれた棚田群や湯出川流域に点在する滝などを潤しています。
また、海の「湯の児(ゆのこ)温泉」、山の「湯の鶴温泉」があり、食も海・山の幸に恵まれた地域です。
ココロもカラダも浄化する水俣の海と山
海|湯の児温泉 界隈
歴史ある温泉旅館が立ち並ぶ「湯の児温泉」はなんといっても青い海と空、そして美しい夕日が印象的。温泉につかりながら見る夕焼けは至福のひととき。ココロもカラダもデトックスできそうです。
再生された水俣の海には、きれいな海にしか棲むことができないタツノオトシゴ・ヒメタツが生息しており、海の環境が守られていることを物語ります。美しい海に直接ふれてみると、眺めるだけでは見つからない新しい感動が見つかるかも知れません。
山|湯の鶴温泉 界隈
温泉旅館から長期滞在型の湯治旅館まで4軒が立ち並び、立ち寄り湯、足湯もあります。その旅の滞在時間にあった温泉の楽しみ方ができそうです。
湯出七滝(ゆでななたき)を巡る七滝トレッキングは、癒しの道のり。点在する5つの滝と増水時のみ現れる幻の滝の眺めは五感に響きます。また、寒川水源近くのそうめん流しもこれからの季節におすすめ。ちょっと甘めの焼きエビのだしが珍しい。そこに向かう道すがらつなぐ棚田遺産の棚田も見ることができます。
水俣で生産する意味、オリジナリティ、希少性が織りなす“みなまた和紅茶”の魅力
水俣は、冬の山間地は雪が積もることもあり、昼と夜の寒暖差により旨味を蓄えたおいしいお茶が生産されるお茶どころ。
和紅茶は、日本の茶樹の新芽を酸化発酵させたもの。渋みがなく、ほんのり甘く、まろやかな味わいが特徴です。その味わいは、茶園ごとに異なり、環境や土壌、気候、摘んだ時期や摘み手のタイミングや判断により無限の個性を放ちます。
命が健やかであるために役に立てるものを作っていきたい
水俣で生まれ育った和紅茶の生産者たちは水俣の歴史を目の当たりにしてきました。だからこそ、水、廃棄物、食べ物などサスティナブルな社会を目指す上での課題にも真摯に向き合ってきました。
みなまた和紅茶は、太陽、水、土地、そこに動植物、微生物など自然の恵みを生かした手仕事により栽培、製茶されています。
みなまた和紅茶をけん引する「天の製茶園」を訪ねて
そのみなまた和紅茶を水俣の新たなブランドに昇華させたのは、地元で「みなまた和紅茶四天王」と呼ばれるお茶の生産者たちです。天の製茶園の天野 浩さんはその生産者たちの求心力的存在。
水俣のお茶農家は規模が小さく、担い手も多くはいません。そこで7年ほど前から仲間たちとお茶農家の存続を掛けた、ブランディングと地域おこしをはじめました。
現在、天野さんは“お茶に関わる人を増やしていきたい”という思いからお茶の楽しみ方を広げる活動をしています。
いまや全国の和紅茶愛好家が訪れる「九州和紅茶サミット in みなまた」も天野さんたちの呼び掛けからはじまりました。
子どもから大人まで楽しめる森のお茶会、都市部を中心にレストランや専門店でのお料理とお酒と和紅茶とのペアリング、国内外の和紅茶生産・販売者との連携など。活動は地元から海外にまで及んでいます。
天野さんから、お茶会や茶畑にもぜひ遊びにきてください!とのこと。アクティブにみなまた和紅茶を楽しむのもいいのではないでしょうか?
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SDGs未来都市
取材協力/
水俣市観光スポーツ戦略課
天の製茶園
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